あっという間に時は経ち受験も終わり、何とか志望校にも合格することができた。


数日後、紗希が僕の家を訪ねてきた。


「こんにちはー。」


「よう。どうした?」


「私高校受かったからその報告に来たの。」


「そっか。どこ行くの?」


「南校。」


「まじ!俺と一緒じゃん。」


「うん。そうなんだ。よろしくね。」


「あー。」


「同じクラスになれるといいね。」


「まーな。」


「おばさんたちにも伝えといてね。」


「うん。わかった。」


「じゃーね。」


「あー、じゃーな。」


 彼女の後姿を見つめ続けていた。


呼び止めたい気持ちがのど元まできていた。


動くことも声を出すこともできなかった。



少し大人びた感じがして、彼女が遠い存在に感じて…。