翌日彼女は学校には来なかった。


担任から来週から彼女は転校することを知らされた。


まわりがガヤガヤざわめく中、僕は妙に冷静で、心がからっぽだった。


その夜、僕は彼女の家を訪ねた。


出てきたのはおばさんだった。

「こんばんは。紗希ちゃんいますか?」



「ごめんなさい。
いるんだけど侑ちゃんには会いたくないって。
会うとよけい寂しくなるからだと思うんだけど…。」



「そうですか…」

自分が情けなくて、何も言えない。


「ごめんね。私たちの勝手な都合で…。」



「いえ…あの、いつ引っ越すんですか?」


「実は、急なんだけど、明日の8時の電車に乗るの。」


「えっ!明日ですか…
解りました。」

妙に冷静に受け止めることができた。

変に時間が空いていなくて良かった。

僕の中で微かな決心ができた。


「ごめんね侑ちゃん、お母さんにもよろしく言っといてもらえる。」



「解りました。ありがとうございました。気をつけて…。」

僕は振り返らずに家に帰った。