次の日の朝、明海は、電話で起こされた。



「お前の、家の近所で、男性の遺体が発見された。


現場は、大和田町6丁目だ。


すぐに現場に向かえ。」
 


寝ぼけていた、明海は、何がなんだかわからなかったが、とにかく現場に向かった。
 



遺体は、昨日明海が、投げ飛ばした男だった。



しかし、明海は、その男を見ても、まったく自分のしたことだと思えず、他人事のように感じていた。
 



男は、痴漢の常習犯だった。



何度か警察にお世話になっていて、身元もすぐに判明した。



五十嵐壮太、37歳、無職、独身。



家は、現場から1キロと離れていないところに住んでいた。
 



五十嵐は、朝五時半頃、ごみ捨てに出た、近所の主婦によって発見された。



主婦は、動揺し、何処に連絡をしたらいいのか、パニックになり、寝ている夫を起こし、状況を報告し、夫に、連絡など全てのことを任せた。



その横で、主婦は、あたふたしていることしか出来なかった。