「高橋くん、絶対権力使ったでしょ?」


お昼休み。



ザワザワ賑やかな教室にあたしとお昼を一緒にしているユウちゃんが隣に座ってパンをかじってる高橋くんに質問をする。


「失礼な!権力なんて使ってねぇーよ!」


食べ物を口に入れながら大きな声で否定する高橋くんに

「やだ!高橋くん、汚い!!」


ユウちゃんが思いっきり睨んでいる。


「汚いって、お前なぁ~」

「汚いって、ねぇ?メイちゃん?」

「あ、うん・・」


改めて思ったことがあるんだけど


あたし、修学旅行行かない方がいいよね?



花もいるし・・


それに


万が一

万が一よ?


想との事がバレるような事があったりしたら・・


「佐山、大丈夫か?」


ハッと我に返ると、


「ちょ、高橋くん、近いって!!」



すぐ目の前に高橋くんの大きな瞳があって


反射的に視線を逸らしてしまう。



「あっ、佐山もしかして照れてる?」