券売機から戻ってきた想があたしの手を急に握りしめてきた。


「当たり前でしょ?母親なのに、そんな恰好・・」

「おばさんのそのセンス悪い服よりよっぽどいいと思うけど?」

「な!!」

「大体さ~、母親なのにオシャレしちゃいけないなんて誰が決めたんだよ?言ってみろよ」


凄い剣幕でおばさんに突っかかる想に流れていた涙が引っ込む。



「そ、それは・・」


「言っとくけど。俺の嫁サンの悪口言うなら、いくらオバサンでも容赦しねーよ?」



想がそう言うと、



「フン!」


鼻息を荒くしたおばさんはどこかに行ってしまった。



「想、ごめん」


「お前がなんで謝るんだよ?」


「でも・・」


「謝るよりもありがとう、だろ?」



悪戯っぽい笑顔をあたしに見せる。




想が好き。



あなたがあたしの旦那様で本当に良かった。


「想、ありがとう!」