「留学って?」


「メイは知らないんだよね?毎年うちの学校の三年生一人が
アメリカに行くことになってるの」

「そうなんだ」

そういえば昇降口のところに紙が貼ってあったような・・・


「毎年たくさん応募があるみたいだけど、
今年はまだ決まってないみたいだよね?」

「そうそう、いつもは秋くらいに決まるはずだもん。
誰も行きたくないのかな?」


ユウちゃんが机からノートと教科書を取り出してなにやら書き始める。


「ユウちゃん、何してんの?」


「予習。春からはうちら大学生だよ?
いくらエスカレーターとはいえ、しっかり勉強しなきゃ」

「さすが頭のいい子は言うこと違うよね」
「うんうん」



あやめちゃんの言葉につい頷いてしまう。

ユウちゃんは頭がいいから

「だけどさ。今年の留学なんてもう決まったようなものじゃない?」

「へ?なんで?」

「だって行くなら彼しかいないじゃない」


彼?

彼って?

「ほら、あんたのオトコだよ♪」