「え?動物園?」
ある休日の晴れた日。
朝食を終えてリビングに置いてある大きなソファに座りながら新聞を読んでいると、メイが瞳をキラキラさせながら提案をしてきた。
「この前新聞屋さんから動物園のタダ券貰ったんだけど、もうすぐで期限切れるからさ。花を連れて行こうよ」
「バレてもいいのか?」
この場合のバレるというのは俺達の家族の事。
俺達に子供がいることがバレたら俺もメイも学校は即退学。
花ともずっと一緒に居られるか分からない。
「それは・・でもあたしたち、今まで花をどこかに連れて行ったことないし」
当たり前だろ?
だからバレたらどうするんだよ?
「想は、花と出かけたくないの?」
そんなの行きたいに決まってるだろ?
が、それはあえて口にはしない。
「今、俺達がしなければいけないことはなんなんだ?」
「それでもあたしはこの子のママだよ?」
「・・・・・」
「想も。この子にとってパパでしょ?どんなに秘密があっても、やっぱり子供を連れて歩きたいよ」
はぁ。
本当にコイツには負けるよ。
「わかったよ。でも出かけるのは午後からな?」