お母さんにお礼を言って玄関を出た。



外は徐々に夜に向かっている。



少しずつ傾いている夕日が眩しい。



「なんかこういうの、夢みたい」



あたし、花、そして想。



3人手を繋いで歩いてるのを



たまに本当に現実なのか


それとも夢を見ているのか



たまに分からなくなる。




「なにが夢なの?」



あたしの独り言が聞こえたのか想が花からあたしに視線を移す。



「うん、たまにこうやって3人で歩いてる事を本当に現実で起きてることなのか分からなくなるの」



「なにそれ?」


フッと鼻で笑いながら


「メイがここにいて、俺たちの子供がいて。それはちゃんとした現実でしょ?」


「そうだけど」



こんなに幸せでいいのかなって


いつかこの幸せが簡単に壊れてしまう日が来るんじゃないかって。



「馬鹿らしい。俺達はこれからも何も変わらない。お前と俺と、そして花も」