青山くんとはまた違ったカッコよさがあって


いつも女の子に囲まれてた。


その高橋くんが

いつもの明るい高橋くんが


今は真剣な顔をして練習をしている。


真剣なんて当たり前かも知れないけど


それでもあの高橋くんの
あんなに一生懸命な姿を見たのは初めてで


私はしばらくその場から足が動かせなかった。



もっと見たくて

もっと違った顔を見たくて


私はどんどん高橋くんに惹かれていってしまった。



どんなに好きでも

付き合おうとか

気持ちを伝えたいとか


そんな風に考えたことはなかった。



だって私には手の届かない存在だったから。