声のする方向を見るとその先に立っていたのはさくらさん。 「別に、何でもないです」 ペコリとお辞儀をして通り過ぎようとするも 「聞いたの?おじい様から。」 その言葉に足が止まってしまう。 「はい。今でもおじい様がさくらさんを 想の奥さんにしたいことも聞きました」 「そう。おじい様ったら強引よね。 でもこれで私はまた傍に居られる」 ちらりとさくらさんを見れば、勝ち誇った自信満々の顔。 「でも納得してないですから。 あたしだけじゃない、想も同じ気持ちです」