『人を殺せばそれだけ身体の動きが鈍くなる』






 呪いの言葉を思い出す。






『戦死が先か内臓が悲鳴をあげるのが先か、楽しみにあの世で待っていよう』





動かない体を貫かれるのが先か、内臓の動きが停止するのが先か、以前殺めた呪の主ですら知らない。

ただ、刻々と、その日が迫っているのはガラ本人が一番わかっていた。


動きが、鈍い。

今日はガラ・ルーバーの名に動揺した敵兵を蹴散らすのはたやすいことだったが、次にそれはない。

それにもしかしたら、気づいたかもしれない。



ガラ・ルーバーは噂ほどの男ではないと。