「精霊はね、甘いものが大好きなのさ。
お前もこれからは、こやつの為にキャンディを欠かさず持っておくがいいよ」


「はい! 分かりました」

リュイはあっという間にキャンディを平らげてしまいました。
二個目のキャンディもぺろりと食べ、ぷうっと大きな溜め息をついて、にやっと笑って言うには、

「ストロベリーキャンディもなかなかだけど、オレはレモンキャンディが好みかな」


とのこと。
それを聞いた素直なレオノーラは、明日すぐにレモンキャンディを買いに行く約束をしました。

お腹もふくれて一心地ついたリュイは、今初めて気がついたようにレオノーラをまじまじと眺めました。


「レオノーラ、お前、妖精の香りがするけど、人間じゃないのか?」


「え? 私はただの人間よ」


「それにしちゃあ、妖精の香りがぷんぷんする」


「精霊よ。お前の主は妖精に愛でられた娘なのさ」


レオノーラの周りをくるくると飛び回るリュイにパメラが教えました。