こんなに助けを求めているのに。
私には何もできない。

溢れた涙がぽろりと零れました。
零れた涙はレオノーラの握ったこぶしに落ち、染み込んで、その中の水晶に触れました。

その瞬間です。
光がレオノーラの手の中から溢れだしました。


「何!? 何がおきたの!」


レオノーラは手のひらを開いて、中の水晶を見ようとしました。
澄んだブルーの光が溢れ、その光の向こうからぱりぱりと音が聞こえ、元気な男の子の声がしました。


「ああ! やっと出られたあーっ!」


ゆっくりと収束していく光の中から、洋服を着たカエルが現れました。

大きく伸びをして、くりくりとした目をレオノーラに向け、にっこり笑って言いました。


「ありがとう。助かったよ!」


レオノーラは驚きのあまり、パメラのベッドに座り込んだまま、ぽかんとそのカエルを見ました。