「もしかしたら、中の精霊が弱ってきてるのやもしれん。困ったの」


「パメラ様、何とか出来ないんですか?」


ううむ、とパメラは唸りました。
レイランの家に置いてきた魔術道具さえあれば、何とかできたかもしれませんが、今は最低限の道具しかありませんでした。


「レイランに戻るまで、この精霊の命がもってくれたらよいが」


レオノーラはパメラの手からネックレスをもらい、水晶を眺めました。黄ばんでいる水晶は、何だか苦しそうにも見えました。


『ココカラダシテ』


また、あの声が聞こえます。


「ごめんね、私はどうにも出来ないのよ。ごめんね」


レオノーラは泣きそうになりながら謝りました。
ああ、私に力があればいいのに。

水晶をぎゅっと握りしめました。


『ココカラダシテ』


精霊の声が聞こえます。