ほう、と国王が驚きの声をあげました。


「それは興味深いな。して、パメラ様は、その娘をご覧になりましたかな」


「ええ、それがこの娘です。あたしの弟子にしようと思いましてな、つれ帰りました」


パメラは、自分の後ろで頭を下げたまま固まっている女の子を指し示しました。
グラディス王女は、今まで気にもとめていなかった少女を見て、お伽話の続きを思い出しました。


「ねえ、パメラ様。妖精の涙のお伽話だと、愛でられた娘は、妖精から美しさとかぐわしい香りを頂けるんじゃなかったかしら?」


「よく覚えておいでですな。さて、レオノーラや、顔を上げて国王様に見てもらいなさい」


レオノーラと呼ばれた娘が顔をあげました。


さらさらとした絹糸のような赤みかかった金髪が、と肩から流れ落ちました。
陶器のような肌は、頬だけがほんのりと色づき、物言いたげな唇はぷっくりとこけもも色をしています。
そして、薄紫色の吸い込まれそうな大きな瞳。