「これから領主にも話すけれど、お前はあたしが引き受けるのさ。お前はあたしの弟子にしてやろう。いいね?」


レオノーラは、ぽかんと口を開きました。

私が、パメラ様の弟子に?

「間の抜けた顔をするんじゃないよ。
お前は妖精に愛でられた娘だ。多分魔力ももらい受けているハズさ。その力をあたしが使いこなせるようにしてあげようというのさ」


「私に、魔力が? 妖精に愛でられたとお母さんも言っていたけれど、私は何にも変わってないように思うわ」


「思います、とお言い。
さて、あたしも実際に愛でられた娘を見たのは初めてだから何とも言えないがね。こりゃ魔術使いのカンだね」


レオノーラは自分の手のひらを広げてじっと見つめました。毎日花摘みをしていたせいか、細かい切り傷がいくつもあり、カサカサのいつもの自分の手のひら。

何にも変わったところはないのに、どこに魔力があるというのでしょう。

パメラ様はそりゃあ素晴らしい魔術使い様だと聞くけれど、見当違いってこともあるんじゃあないかしら?