レオノーラの父親は街外れで鍛冶屋をしています。
腕の良い職人のお父さんは気持ちも優しい人で、貧乏な人からはタダのような値段で仕事を請け負います。

毎日毎日、穴のあいたお鍋や、ぽっきりとおれたクワの修繕を汗だくでしているのに、全然生活は楽になりません。

お父さんは、毎晩飲むクコ酒を買うお金だけあればいい、と言いますが、それを聞いて嫌な顔をするのはお母さんでした。

レオノーラの本当のお母さんはとうの昔に亡くなっていて、今のお母さんは後から来た後妻さんです。

お母さんは昔話の義理のお母さんそのまんまの人で、意地が悪くてお金が大好きな人でした。

本当は、お母さんも昔は心優しいかわいらしい女の子だったのですが、裏切りや、お金が無いが故の苦しみを経験し、気持ちの貧しい人になってしまったのです。