リュアネスは、そんなレオノーラを見て、不覚にもどぎまぎしてしまったのでした。


「……あの、レオノーラ。
ありがとう、私、あなたのお陰で元に戻れたわ」


リュアネスの様子のおかしさを訝しんでいるレオノーラに、グラディス王女が話しかけました。

レオノーラは、もじもじと礼を言う王女に笑いかけました。


「いいえ。頑張られたのは、王女様ですもの。私はほんの少し、お手伝いさせて頂いただけです」


その言葉に、王女の瞳から、ぽろぽろと涙が流れました。


「私、あなたに酷い事をたくさんしたわ。酷い事も、たくさん言った。
なのに、あなたは私に笑ってくれるのね。今まで、本当にごめんなさい」


グラディス王女は、初めて反省し、謝罪の言葉を口にしました。

私はワガママで、醜い性格の娘だったのだわ。今やっとそれに気がついた……。


涙を流して何度も謝るグラディス王女の肩に、国王が手をおきました。


「魔術使い様、レオノーラ、ありがとう」


国王はグラディス王女と共に頭を下げました。


「ま、まあ! 私は何も。元に戻っただけなのですもの。
お二人とも、お顔をあげてくださいまし」