翌日、パメラの馬車に乗り、レオノーラ達3人は王宮に向かいました。

レオノーラの顔を見た国王は腰に差した剣に手をかけましたが、それを制したパメラの言葉に驚きました。


「何と!? グラディスを元に戻せるとな? それは本当か!」


「ああ。レオノーラだけが、王女を元に戻せるのさ。
国王、グラディス王女が元に戻った暁には、レオノーラへの処罰はなしにしてくれないか。殺すなど、もってのほかだ」


「……う、うむ、分かった。約束しよう。なればすぐに王女を助けてくれ!」


不遜な口調で言う、パメラよりもエラそうな魔術使いに、国王は戸惑いながらも、頷き言いました。
その態度に怒りを感じるより先に、王女を助けられるという言葉が大事だったのです。


「国王よ。この魔術使いとレオノーラを、王女のもとへ」


パメラが国王を促し、期待に少し頬を紅潮させた国王は、急く様子で歩きだしました。


「大丈夫だよ、レオノーラ。さあ、行こう?」


リュアネスは緊張して震えているレオノーラに、優しく笑いかけました。