「自分を殺そうとした王子が、心配かい?」


「あら、悪魔に操られていたせいでしょう?
それに、私はどんな理由であれ王子を騙したんですもの。あの時は、処刑されても仕方なかったわ」


きょとんとした顔で答えたレオノーラの頭を、リュアネスはぽんぽんと撫でました。


「レオノーラは、優しいなあ。でも、少しは自分の事を大事にしなよ」


「あら、してるわよ」


レオノーラはリュアネスに撫でられた頭に手をやりながら、嬉しそうに笑いました。