身代わり姫

炎から、光が溢れました。

光は紫色の煙を霧散し、広場を照らしました。


逃げ惑っていた人々が足を止め、矢を射ていた衛兵たちが手を止めました。
激を飛ばしていたナマタ王子が、眩しそうに目を潜め、妖精たちは光を見て驚きの声を上げました。


「え!?」


レオノーラが目を細めて光を見ると、急に勢いを失った炎の中に、うずくまる人影があります。


……誰?


人影は、ゆっくりと立ち上がると、薄れゆく光と炎中から、レオノーラを見上げて叫びました。


「呪いが解けたよ、レオノーラ!」


え? この声は、リュイなの?
少し低くて、まるで大人の男の人みたいにも聞こえたけれど……。


「お前、やはり魔術使いリュアネスか!」


レオノーラが口を開くより早く、ナマタ王子が叫びました。


「貴様、あのまま死んだと思っていたが、やはり生きていたか!」


王子は腰に差した剣を引き抜き、両手で握り、光の中から現れた青年に剣先を向けました。


「王子、よくも呪ってくれたなあ。オレとしたことがカエルになんかなっちゃったよ」


すっかり火が消えてしまった燃え滓の中に立ち、リュアネスと呼ばれた男の人が不敵に笑いました。