「お前、レオノーラを知ってるのか?」


「ええ、もちろんよ。
だって、レオノーラと出会った妖精は、私ですもの」


妖精はうふふ、と笑いました。
ふんわりと匂ってくる香りは確かにレオノーラと同じもので、リュイは何だか懐かしくて嬉しくなりました。


「そうかあ。レオノーラも、会いたがっていたよ。残念だなあ」


「私も、会ってもう一度お礼が言いたかったわ。あれから何人も妹が生まれたのよ。
今、レオノーラは何をしているの? 幸せになっている?」


「それが、さ……」


リュイの顔が曇ったのを見て、妖精が首を傾げました。


「どうかして? レオノーラに、何かあったの?」


リュイは、今レオノーラの身に降りかかっている、恐ろしい事の話をしました。

自分が、そのレオノーラを助けに行っている途中だと言うことも。


「ああ、何てこと……。では、レオノーラは私との約束を守ったせいで、そんな酷い目にあってると言うの?」


妖精は真っ青な顔で叫びました。