「…ふん。処刑までには、あいつは姿を現すだろう。それまで様子を見るか」


王子が溜め息をつきながら前髪をかきあげました。ぱちん、と指を鳴らすと紐がしゅるしゅると解け、王子の手のひらに戻っていきました。

王子はそれを胸元にしまい込み、倒れたレオノーラの姿をちらりと見てから、牢を静かに出ていきました。