鉄格子の隙間からひゅるっと何かが入り込み、レオノーラの首に絡みつきました。
きゅうう……っと締め付けていきます。


「く、苦し……い」


レオノーラは、首に絡みついた何かを外そうと両手で引っ張りましたが、それはぎりぎりと締め上げていくばかりで外れません。


「外れないよ。それはオレが魔力を込めて編んだ紐なんだからな。さあ、ここで死にたくなければ、言え」



王子様とリュイ、何か関係があるの?

息苦しさで頭がくらくらしてきながらも、レオノーラは王子にリュイの事は話してはいけないと思いました。

それに、私はあと数日で処刑されてしまうのですもの、命を惜しんでも仕方がないわ。


「い、言いません。リュイは、私の友達です、もの……」


王子が指を鳴らすと、きゅう……っと紐が益々レオノーラの首に食い込みました。
ぷつりと意識が途切れたレオノーラは、その場にぐらっと倒れ込みました。
その拍子にばしゃんっと水たまりの水が跳ね、王子の服の裾を濡らしました。