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夕刻。
王宮の中庭を、グラディス王女とナマタ王子は、並んで散歩をされました。
柔らかな夕日を浴びて歩くお二人の姿を見て、幾人もの召使いが溜め息をつきました。
その立ち姿は一枚の絵画のようで、とても美しいものだったのです。
そんな人々の視線を浴びながら、ナマタ王子はグラディス王女に微笑みかけました。
「この庭は、ボクのお気に入りなのですよ。ほら、あの花はこの国にしか咲かないチグリという花です。赤い花びらが綺麗でしょう?」
「ええ。とっても綺麗です」
グラディス王女は控えめな、小さな声で相づちを打ちました。
なんだ、噂と違って大人しいじゃないか。この国に着いたばかりだし、猫かぶりか?
にこやかに話しながらも、ナマタ王子は冷静な目で、グラディス王女の端正な横顔を見つめてました。
噂では、咲いている花の愛らしさにも嫉妬するということだったが。
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夕刻。
王宮の中庭を、グラディス王女とナマタ王子は、並んで散歩をされました。
柔らかな夕日を浴びて歩くお二人の姿を見て、幾人もの召使いが溜め息をつきました。
その立ち姿は一枚の絵画のようで、とても美しいものだったのです。
そんな人々の視線を浴びながら、ナマタ王子はグラディス王女に微笑みかけました。
「この庭は、ボクのお気に入りなのですよ。ほら、あの花はこの国にしか咲かないチグリという花です。赤い花びらが綺麗でしょう?」
「ええ。とっても綺麗です」
グラディス王女は控えめな、小さな声で相づちを打ちました。
なんだ、噂と違って大人しいじゃないか。この国に着いたばかりだし、猫かぶりか?
にこやかに話しながらも、ナマタ王子は冷静な目で、グラディス王女の端正な横顔を見つめてました。
噂では、咲いている花の愛らしさにも嫉妬するということだったが。