国王は、グラディス王女が悪魔の呪いにかかったことを、秘密にしていました。
王宮にいる家来たちにも、グラディス王女をお世話する召使いたちにも、厳しく命令をし、絶対に噂にのぼらないようにしているのです。
文献を探し、必死に王女を元に戻す糸口を探すパメラの元に、国王は頻繁に使いを出しました。
何か見つかったか?
王女は戻れるか?
けれどよい知らせは一向に届かず、国王はただなすすべもなく、室内をうろうろとしながらパメラからの吉報を待っているのでした。
まだか、まだなのか……。
国王が、身の置き所もなく長椅子に座り込んだ時、部屋をノックする音が。
パメラからの使いか!
国王は返事をするのももどかしく、自分から扉を開けました。
扉の向こうに立っていたのは、重臣たちでした。
みんな、深刻な顔をしています。