「さあ、もう帰るよ。
レオノーラ、ツユクサの在庫が減ってきてるんだ。戻ったらすぐにカゴいっぱい摘みに行ってきとくれ」


パメラはそう言ってきびすを返すと、さっさと帰り始めました。


「行こう。オレも手伝うからさ、早く終わらせてカードゲームでもしようよ」


「う、うん……」


レオノーラは、街の人々に見送られながら出発していく王女の馬車を、気がかりそうに眺めていましたが、
リュイに袖をひかれて、しぶしぶパメラの後を追おうとしました。


でも、本当によかったのかしら……。


レオノーラが振り返ると、家来の馬に取り囲まれるようにして進む王女の馬車が、小さく見えました。