14才の地図

「どーしても、知らないって?」

「うん」

「判った」

真紀は、すごい冷たい眼で、あたしを睨んだ。

「ツラかしな」

低い声で、命じる。

有無を言わせないすごみがあった。

あぁ。

真紀とも、これで終わり…。

背筋にはりついた恐怖と同時に、えもいえぬ寂しさを、感じた。

朽木サンとの約束を守れないことと、真紀との友情が終わりになってしまうこと、あたしは、どっちをより恐れているんだろう。

ぼんやり、そんなことを考えた。

「鵠沼のレヴィュー。4時からVIPルームおさえてあるから…」

真紀は、腕時計を見た。

「今から行けば、イイ時間だ。覚悟しな」

最初は、真紀が何を言ってるのか、判らなかった。

でも、そこに行ったら、ただではすまないってことは、かろうじて、判った。

「逃げるなよ。逃げても、すぐつかまるからな」