14才の地図

「会ってないよ」

誰にも言うなって、朽木サンが言った。

約束したんだもん。

「ハンパなことゆーんじゃねーよ」

真紀、怖い。

「だって、あたしが朽木サンと会う理由がないよ」

「そんなことは判ってる」

「じゃ、なんで?」

真紀は、ちょっとため息をついた。

「おまえにはさー、こんなふうに問いつめたりしたくねーんだよ」

「真紀…」

「頼むから、正直に言えよ」

「ちょっと待ってよ。真紀、最初っから決めてかかってるじゃん。そんなの、困るよ」

「やましいことがないなら、隠すコトねーだろー?」

「隠してなんか…」

あたしだって、真紀に嘘はつきたくない。

でも、約束したんだもん。

あの日、血だらけになってた朽木サンと。

約束破ったら、朽木サンは、もう、あたしを信じてくれないかもしれない…。