14才の地図

自分のコト、ちゃんと判ってくれない奴らと一緒にいなきゃなんないトキって、悲惨だよ。

「なーに、ニヤついてんのさ?」

スプーンをくわえたまま、真紀があたしの顔をのぞき込んだ。

「ん? ガッコーのこと、思い出してた」

「ちぇー。せっかくおごってやってんのに、つまんねーコトゆーなって」

「訊いたの、そっちじゃん」

「ふん」

ちょっと、すねてる。

最近、真紀は、まるで警戒心を解いた猫のように、あたしにいろんな顔を見せてくれる。

気を許してくれてるんだなって、思うと、本当に嬉しかった。

「ごちそーさまっ」

ぽいっ。

食べ終わった容器を、駐車場のくずかごへ捨てた。

「実は、サ」

それを待っていたように、真紀がちょっと改まった声を出す。

「んー?」

「ここ数日、妙な噂が流れてんだ」

「噂?」

真紀の眼は、マジだ。

あたしも、つりこまれて、笑顔を引っ込めた。