14才の地図

ケンタで買ったオレンジシャーベットを食べながら、真紀がふざけて言った。

「まい、本でも書いたらぁ?」

「えー? 何の本?」

真紀は、まじめなあたしをからかうように、ケラケラ笑う。

「10日間で不良になる方法」

「うく」

あたしは、ずっこける。

「なぁーんだよぉっ、それー」

「はははぁ。売れる訳ねーかぁ」

「たりめーじゃん」

ぺろん。

左の中指についたシャーベットを、なめた。

まったく、真紀ってば、おちゃめなんだから。

そう。

学校のみんなは、真紀のこんな一面を知らないんだ。

うわべだけで、怖いとか、つっぱってるとか、自分たちの価値観で好き勝手言って…。

真紀は、あることないこと言われても、必死で弁解とか、しなかったよね。

くやしーだろーに。

はがいーだろーに。