14才の地図

──もう、その、真紀ちゃんっての、やめなよ。

こないだ、そう言われて驚いた。

──あたしら対等なんだから、真紀って呼びなよ。

そして、あたしは、子供っぽいちゃんづけをやめたんだ。

確かに、真紀には、ちゃんづけなんて、あまり似合わない。

彼女も、くすぐったかったのかもしれないしね。

でも、『赤華』に入るなら、また、呼び方、変えなきゃならないな。

真紀サンとか、総長とか…。

そんなことを考えながら、セルを回した。

キュルル。

エンジンは、すぐかかる。

「よーし、行くよっ!」

真紀がうながす。

「うん」

ばばばばばばば…。

あたしたちは、元気に走り出した。