14才の地図

家に帰って、ひと眠りして、着替えをちょっとと、お金を持って、本格的に、家出を決めこんだ。

でも、はっきりした行くアテもないから、昨日、みんながたまってた辺りに行ってみた。

まだ、明るくて、サーファーなんかもたくさんいたけど、プータローみたいなのもけっこー集まってた。

あたしは、街灯の下に、ちょこんと腰を下ろした。

しばらく、ぼーっと、動き回る人間や、車を視ていた。

朽木サン、どーしてるかなぁ?

帰らないつもりで家を出てきたことより、朽木サンのことのほうが、心配だった。

「ねー。あんたさぁ…」

不意に声をかけられて、振りあおいだ。

わぁー。ちりちりパーマの女の子。

髪の毛が、真っ赤だぁ…。

「なぁに?」

「あんたさぁー。きのぉーさぁー。オガタさんの車、乗ってたじゃん」

しゃがみこんで、あたしと目線の高さ、同じにした。

「うん」