14才の地図

そして、強い調子で言った。

「いいか。どんなことがあっても、おまえは喋るな。得に、俺の傷の程度を、だ。いいな」

指が、食い込んで、痛い。

「う…ん」

不承不承、うなずいた。

「よし」

「真紀ちゃんにも? 連絡しないでいいの?」

「あぁ」

真紀ちゃん、心配してるのに…。

「でも…」

「考えてみろよ。総長がやられたなんつったら、あいつら、無鉄砲に報復にでるのは目に見えてるぜ」

あ、そーか…。

「じゃあ、誰にも言わないから、誰と喧嘩したか、教えて」

朽木サンは、ちょっと意外そうな顔をした。

「聞いて、どーすんの?」

「どーもしないけど…。知りたい」

「ふうーん」

眼を細めて、あたしを見る。