14才の地図

ぽーぴー。ぽーぴー。ぽーぴー。

朽木サンは、眠ってる。

血をいっぱい、流してた。

人間の体の中には、あんなにいっぱい、血があんのかな、って思うくらい。

もしかしたら、このまんま、目を覚まさずに、死んじゃうのかな、って思うくらい。

ぽーぴー。ぽーぴー。ぽーぴー。

真紀ちゃんに、知らせなきゃ。

朽木サンの家族にも。

でも、そーいえば、朽木サンの名前、なんてゆーんだろぉ?

ぽーぴー。ぽーぴー。ぽーぴー。

ぽーぴー。ぽーぴー。ぽーぴー。

朽木さぁん! 死んじゃ嫌だよぉっ!

あたしは、声にならない思いを抱えて、ガタガタ震えていた。



ほどなくして、到着した救急病院の待合い室って所は、ひどい有り様だった。

何の怪我だか知らないけど、血だらけになってイスに座ってる人。

スクーターかなんかでコケて、スカートの下の素足が、ずるむけになった女の子。

そーゆー、痛そーな人たちが、沈痛な面もちで順番を待ってる。

あたしは、そんな人たちに混じって、隅の椅子にちょこんと腰掛けていた。