14才の地図

あわてて駆け寄って、抱き起こす。

「あー…。まい?」

朽木サンは、あたしを見上げて、苦しそうに笑う。

「朽木サンっ! やだぁ。しっかりしてよぉっ!!」

ぐっ!

朽木サンの指が、あたしの腕に食い込んだ。

「でーじょぶ。へーき…」

起きあがろうとする。

左の腕を鮮血が伝ってた。

「俺んち、松浪なんだわ。近いじゃん。へーき」

ゆらりと、立ち上がった。

「だっ、駄目だよっ! 病院、行かなきゃっ!」

「そんな、たいそーなケガじゃねーって」

あたしの手を振り払う。

なんで?

いっぱい、血が出てるじゃん。

どっから歩いて来たの?

単車、どーしたの?

そんなケガしたら、痛くて泣いちゃうよぉ。

「だめぇっ!」

涙が出た。