緒方くんは、角刈の人と一緒に、中央の方へ行ってしまう。
「オラーッ、静かにしろぉーっ!」
幹部数人の気合いの入った声で、辺りのざわざわが、水をうったように静まりかえった。
すごい統率力。
全校集会だって、こんなに静かにならない。
「『紫天使』総長補佐の緒方だ。今日の参加チームは、12。総長にかわって礼を言う。
今日、一緒に走ってくれるのは、鎌倉の『駆離観那瑠(くりみなる)』の奴らだ。今から頭紹介するから、仲よく走ってくれ」
紹介を受けた新参加チームのリーダーが、手短かに挨拶する。
続いて、特攻隊長がコースの説明に入る。
警察とか、ケツ持ちとか、信号がどーのとか、簡潔に話している。
あたしが、あっけにとられて聞いていると、いつのまにか緒方くんが戻って来ていた。
「怖くない?」
緒方くんが、優しい声で訊く。
正直いって、心臓がドキドキして、口から飛び出しそうだったけど、
──動揺は、顔に出した奴の負けだよ。
真紀ちゃんの言葉が、あたしの頭の中で反響している。
「オラーッ、静かにしろぉーっ!」
幹部数人の気合いの入った声で、辺りのざわざわが、水をうったように静まりかえった。
すごい統率力。
全校集会だって、こんなに静かにならない。
「『紫天使』総長補佐の緒方だ。今日の参加チームは、12。総長にかわって礼を言う。
今日、一緒に走ってくれるのは、鎌倉の『駆離観那瑠(くりみなる)』の奴らだ。今から頭紹介するから、仲よく走ってくれ」
紹介を受けた新参加チームのリーダーが、手短かに挨拶する。
続いて、特攻隊長がコースの説明に入る。
警察とか、ケツ持ちとか、信号がどーのとか、簡潔に話している。
あたしが、あっけにとられて聞いていると、いつのまにか緒方くんが戻って来ていた。
「怖くない?」
緒方くんが、優しい声で訊く。
正直いって、心臓がドキドキして、口から飛び出しそうだったけど、
──動揺は、顔に出した奴の負けだよ。
真紀ちゃんの言葉が、あたしの頭の中で反響している。

