14才の地図

胸の底が、じーんと熱い。

生きるのが苦しくてたまらない時ほど…。

あたしの心に、深く響く言葉だった。

「大丈夫だね?」

真紀ちゃんが、念を押す。

「うん」

真紀ちゃんは、ニッと笑って、自分のチームの方に行った。

毎年、夏一番の集会は特別で、レディスも一緒に走るんだって。

詳しいことはよく判らないけど、昔、連合をまとめたのが、静羅(せいら)サンってゆう、女の子だったとか…。

その伝説の彼女に敬意を表して、7月の第4土曜日の集会だけは、レディスも参加って訳。

参加チーム、12。OB、混在。単車、約80台。四輪、約百台。参加人数、約四百名。

「ガタさん、挨拶、お願いします」

角刈の怖そうな人が、車の所に来た。

「朽木は?」

「いえ。まだ…」

「しゃーねーなぁ。途中参加ってことにしとくか…」

緒方くんは、難しい顔をして、そう呟いた。

ひょいと、あたしを振り返る。

「さき、車に乗って待ってて。これに乗ってたら、悪さするやつ、いねーから」

あたしは、緒方くんにうながされて、車に乗った。