14才の地図

「あたし、あとで心当たりアタってみっけどさぁ、あいつのことだから、どっかのオンナんトコにシケてんのかもしんないよぉ…」

半分、冗談で、真紀ちゃんが言った。

緒方くんは、真紀ちゃんの頭を、少し乱暴にこづく。

「ばーか。そんなんで、こっち、ハンパする奴じゃねーよ」

「…そーだけどさぁ…」

「よけーなこと考えてると、事故るぞ。走るんだろ? CBXで」

「うん。気合い、入れっかな!」

ぱん!

真紀ちゃんは、胸の前で、両手を打ち鳴らした。

「じゃ、ガタ。このコ頼むね。後で送ってやって」

「オーケー」

えー? 真紀ちゃん、一緒にいてくれないのぉー…?

急に、あたしは不安になった。

そんな、あたしの気持ちに気づいたのか、真紀ちゃんは、ぽん、とあたしの背中を叩いて、小声で言った。

「まい。動揺は、顔に出した奴の負けだよ」

「真紀ちゃん…」

「つっぱれ。生きるのが苦しくてたまらない時ほど、鮮やかに笑ってやるんだ」

う、ん…。

その言葉に引きずり込まれるように、うなずいていた。