14才の地図

こーゆーのが、えーこの怖がってるボーソーゾクなの?

ぜんぜん、フツーの人じゃない。

フツーに喋って、フツーに笑って、なんか、かえってリラックスできるみたい。

もしかしたら、あたしも、本音で喋れるかもしれないって、そう、思うもの。

わくわくしちゃう。

だって、海と、街灯と、赤いテイル・ランプが、すいこまれそうに、キレイなんだもん。

「真紀さぁん!」

隣に、単車が並んだ。

「こんばんはぁっ!」

追い越して、走っていく。

うわぁ。真紀ちゃんにアイサツしてったんだぁ。

「真紀ちゃんて、すごぉい」

あたしは、めちゃくちゃカンドーした。

真紀ちゃんて、こんなにすごい人だったんだ…。

なんか、いっしょにいると、あたしまで偉くなったみたい。

「ばーか。あたしがすごいんじゃねーんだよ」

ちょっとテレくさそうに、真紀ちゃんは言う。

「あたしにアイサツしとかないとぉ、あいつら、朽木にシメられると思ってんの」

「へぇー。朽木サンて、そんな怖いの?」

「ひゃひゃひゃ」

いきなり、弥勒寺くんが笑った。