14才の地図

「もう、たくさん!」

「まい…」

「再婚でも何でも勝手にしてっ! あたしも勝手にするからっ!」

言い捨てて、家を飛び出した。

また、非常階段を一散に駆け降りる。

パパは、追ってこない。

パパが落とした、火のついたタバコ、ちゃんと拾ったかな?

なんて、妙に醒めた頭の隅で、そんなことを考えた。

そして、ちょっと泣いた。

泣き虫は嫌い。

でも、すぐ涙線がゆるんじゃう。

あたしは、いつまで、こんなふうに、独りぽっちで泣くんだろう。

いつまで、こんなに、寂しいんだろう。

自分の肩を両手できゅっと抱いた。

今は、無性に、誰かに抱きしめてもらいたかった。