いつのまにか、気分が晴れていた。
そう、真紀ちゃんは、何も聞かなかった。
おしつけがましくなぐさめたりも、しなかった。
ただ、あたしを笑わせてくれただけ。
あたしは、同情なんかいらない。
不幸な家庭の、可愛そうな少女、なんて思われるのはサイアク。
そういうあたしの気持ちを、真紀ちゃんは判ってくれてるのかもしれない。
心の痛みが、判る人なのかもしれない。
ますます、真紀ちゃんが好きになった。
真紀ちゃんのためなら、なんでも出来るような、不思議な気持ちさえしてきた。
真紀ちゃんは、あたしのヒーローなんだ。
本気で、そんなことを、考えた。
シャ───。
ホースから、水が弧を描いて飛ぶ。
白いぶかぶかズボンと、黒いランニング・シャツ。
頭から、水をかぶってる。
ふわふわの髪が、水をはじいていた。
「朽木(くつぎ)ぃ───!」
真紀ちゃんが、叫んだ。
そう、真紀ちゃんは、何も聞かなかった。
おしつけがましくなぐさめたりも、しなかった。
ただ、あたしを笑わせてくれただけ。
あたしは、同情なんかいらない。
不幸な家庭の、可愛そうな少女、なんて思われるのはサイアク。
そういうあたしの気持ちを、真紀ちゃんは判ってくれてるのかもしれない。
心の痛みが、判る人なのかもしれない。
ますます、真紀ちゃんが好きになった。
真紀ちゃんのためなら、なんでも出来るような、不思議な気持ちさえしてきた。
真紀ちゃんは、あたしのヒーローなんだ。
本気で、そんなことを、考えた。
シャ───。
ホースから、水が弧を描いて飛ぶ。
白いぶかぶかズボンと、黒いランニング・シャツ。
頭から、水をかぶってる。
ふわふわの髪が、水をはじいていた。
「朽木(くつぎ)ぃ───!」
真紀ちゃんが、叫んだ。

