「なんか、面白くねーこと、あったんだろー?」
「なんで、判るの?」
「そんな顔してるよぉ」
あたしは、あわてて、手の甲で、乱暴に涙をぬぐった。
真紀ちゃんは、くすっと笑う。
「乗んな」
えー? スクーターに? 2人乗りぃ?
「でもぉ…」
もじもじして、ためらってるあたしに、真紀ちゃんは、あっけらかんと言う。
「これから、浜須賀のスタンドまで行くんだ。すぐ、そこじゃん」
うーん。1キロちょい、ってとこか。
家をあんなかたちで飛び出してきた以上、すぐには帰れない。
だからって、行くアテもないし、つっ立ってると暑い。
断る理由が、ないよね。
それに、あんなに憧れてた真紀ちゃんと、友達みたいに喋ってるんだ、あたし。
「うん。乗せて」
「オーケー」
あたしは、その、ピンク色に塗装したヤマハのJOGに、ちょこんと乗っかった。
「しっかり、つかまってなよっ!」
「うんっ!」
きゅっ、と真紀ちゃんの細い体にしがみつく。
「なんで、判るの?」
「そんな顔してるよぉ」
あたしは、あわてて、手の甲で、乱暴に涙をぬぐった。
真紀ちゃんは、くすっと笑う。
「乗んな」
えー? スクーターに? 2人乗りぃ?
「でもぉ…」
もじもじして、ためらってるあたしに、真紀ちゃんは、あっけらかんと言う。
「これから、浜須賀のスタンドまで行くんだ。すぐ、そこじゃん」
うーん。1キロちょい、ってとこか。
家をあんなかたちで飛び出してきた以上、すぐには帰れない。
だからって、行くアテもないし、つっ立ってると暑い。
断る理由が、ないよね。
それに、あんなに憧れてた真紀ちゃんと、友達みたいに喋ってるんだ、あたし。
「うん。乗せて」
「オーケー」
あたしは、その、ピンク色に塗装したヤマハのJOGに、ちょこんと乗っかった。
「しっかり、つかまってなよっ!」
「うんっ!」
きゅっ、と真紀ちゃんの細い体にしがみつく。

