あたしは、看護婦さんに、真紀から引きはがされ、廊下に出された。

なんで?

真紀は、死んだの?

じゃあ、そばにいてもいーじゃん…。

霞がかかったような頭で、そんなことをぐるぐる考えた。

すべてが、夢のようで、つかみどころがなかった。

ほどなくして、さっきの看護婦さんが出てきた。

「だめだったわ」

低い声で、そう、告げた。

あたしは放心して、その場に立ち尽くした。

こんなことが、現実であるはずがない、とさえ思えた。

真紀が…。

あの、真紀が死ぬなんて…。

信じられないよ…。

だって、ついさっきまで、いっしょに…。

膝が、ガクガクして、立っていられない。

腰がぬけたみたいに、へたりこんだ。