えーこと美和が、横目で真紀ちゃんをちらちら見ながら言う。

真紀ちゃんは、じっとこっちを見てる。

怖いくらい、すきとーった眼。

少し色素がうすい、宝石みたいな、眼。

「まい、じろじろ見てるとヤキ入れられるよ」

えーこが、あたしを引っ張る。

真紀ちゃんは、ぷいっとそっぽを向いた。

ふぁさっと、髪をかきあげる。

あぁ。真紀ちゃんて、キレイだなぁー。

あたしは、真紀ちゃんの後ろ姿にうっとりとした視線を送った。

「まーいー。英語の訳、うつさせてぇっ!」

えーこが、言うなりあたしのノートをひったくった。

「まいって、英語だけは信頼できるもんね」

そんなことない。あたしと、えーこの成績は、どっこいどっこい。

「たまには自分で予習したらぁ?」

あたしは、冗談みたいに笑いながら言ってみる。

「えぇ? なぁんでぇ?」

えーこは、シャーペンを走らせていて、顔も上げない。

「いーじゃん。あたしたち、親友だもん」

しんゆう?

その言葉が、少し白々しく、あたしの胸に響いた。