今まで、抑えてきた感情が、一気に爆発したみたいだった。

朽木に、抱かれたいって、心の底から、思った。

朽木は、くすって笑って、「ばかだな」って言った。

「がまんすること、ねーのに…」

って、すごく優しく言った。

まるで、あたしの気持ち、全部、判ってるみたいに、言った。

そう。

あたしは、自分で否定しながら、ずっと、朽木を追ってた。

手の動きが、眼が、声が、あたしの心を刺激していた。

近くにいたくて、声を聞きたくて、でも、できなくて。

好きだって言われて、余計、怖くなった。

真紀の彼を取るのは嫌だとか、きれいごとを言ってたけど、本当に怖かったのは、そんなことじゃなかったんだ。

あたしは、自分自身の、朽木に対する気持ちが怖かった。

だって、死んでもいーかなって、思うもの。

さつきサンが言ってたみたいに、男のために命張っちゃうような、のめりこみかた、するのが、怖い。

何も見えなくなっちゃうのが、怖い。

朽木は、あたしの体中にキスをする。

くすぐったい。