14才の地図

こいつらは、傷だらけになった朽木の姿を知らない。

皆を護ろうとして、たった独りで、10人からの狂犬のような連中の呼出しに応じたことを、知らない。

そして、今夜も、また…。

そーゆー、ムチャなヤツだから…。

朽木ぃー…。

死んじゃ、ヤだよぉっ。

トゥルルルッ!

電話っ!

香奈美が電話に飛びついた。

「もしもし? え? 弥勒寺? うん。ほんとっ! で? わぁー。やったぁーっ!!」

香奈美が泣き出した。

泣きじゃくって喋れない香奈美の手から、受話器を受け取る。

「もしもし、あたし、まい」

『あー。まいっ!? 勝ったぜっ! 大勝利っ!! あいつら、もぉ、でけぇツラ…あっ!』

「もしもしっ! 弥勒寺!? どーしたのっ!?」

『あ…。まい? …オレ…』

その声を聞いた瞬間、あたしは、きゅうっと胸がしめつけられて、もう、立っていられないくらいだった。