昼頃、朽木が迎えに来た。

怒ってたから、来ないかと思ったけど、ちゃんと、来た。

あたしは、エリのおさがりのサイケなTシャツを着て、外へ出た。

「おはよーっ」

太陽が真上でぎらぎらしてんのに、おはよーもないもんだ、と思いながら、挨拶した。

「おぉ」

朽木の、笑顔。

ちょっと、胸が、きゅんとした。

「乗れよ」

「うん」

タンデムシートに、よじ登る。

朽木は、ひょいとスタンドを払った。

「ねぇ。ガタが、バイク教えてくれるって言ってたんだけど、まだ、有効かなぁ?」

「あ? 知らねーぞぉ」

「朽木が、ボコボコになってた時、約束したのぉっ」

「あんまり、ボコボコってーのを、強調すんでねーの」

「だって、ホントのことじゃん」

がちゃん、とギアをローに落とす。