あたしは、朽木なんか、好きじゃねーよ。

「弥勒寺、しゃんとしなっ!」

ぱん!

弥勒寺の頬を、軽く叩いた。

弥勒寺は、びっくりしてあたしを見おろす。

こいつも、背が高い。朽木とおんなじで、180くらいある。

「でかいナリして、シケたツラこいてんじゃねーよ」

「まい…」

「朽木のことなんて、ハナっから、眼中ねーって」

弥勒寺は、気を取り直したのか、ちょっと不自然なカラ笑いをした。

「ははは。俺、なぁんか、煮つまっちゃって。らしくねーよなぁ」

「うん。判ってんじゃん」

「あんま、マジやってると、疲れるし」

「そうだね」

「悪ィ。あやまるわ」

「そんなのどーでもいーから、フツーにしててよ」

「あー。うん」

「じゃね。おやすみ」

「じゃ…」

弥勒寺は、にこにこ、ぎこちなく笑って、帰ってった。