14才の地図

「じゃあ、花火大会の夜だな?」

「あぁ。時間は1時。ぜったい、女は連れて来ねーよーに、徹底しとけよ」

「判ってる」

えー? なんか、すごい相談、聞いちゃった。

とうとう、朽木サン、やるつもりなんだ。

『帝釈天』の初代の腕を、切り落としちゃったってゆー、バリバリの喧嘩チーム、『血狼』と。

あたしは、弥勒寺や菜由たちとふざけながら、そのことばかり、考えていた。

8月10日。8月10日。

さざ波のように、みんなに広まる。

緊張感が、あたしたちを包んだ。

そして、12時。

あたしは、朽木サンの、CBR400Fに乗った。

風と、直管の音が心地いい。

海岸線を、爆音とともに走り抜ける。

やがて、交機に追われて、流れ解散になった。

明け方、朽木サンは、あたしを長谷まで送ってくれた。

「なー、おまえ、サンづけすんの、よせよ」

バイクから降りたあたしに、朽木サンは言った。

「だって、朽木サン、総長じゃん」